「私は莉央ちゃんと付き合っているんです」
りんごさんはもう小説を書ける状態ではなかった。
それからゴールデンウィークが始まるまで、四日ほどしかなかったと思うが、僕にとっては今までで一番長い四日間だった。
僕は一度だけ、雪葉と二人きりで食事に出かけたことがある。
僕は大学で雪葉をよく見かけるようになった。
りんごさんは、ずっとその小説を書き続けている。
第6話
第5話
第4話
第3話
第2話
今日の天気は快晴。昇りはじめの太陽は、遮るものが無いのをいいことに、暑くなるような光を振りまいている。
眼下に広がる雲海と、それをゆっくりと動かす横風。 横を見れば、遠くを流れる巨大な雲と、それに隠れた太陽の欠片があった。 何をすることもなくその風に身を任せ、ケイはぼんやりと景色を眺める。 「いつ見ても、凄い光景だよねぇ」 横からアユハがぽつり…
西暦2626年3月2日。 朝、目が覚めて、いつもの癖で窓を見る。そこには青空も雲も鳥も見えず、あったのは黒い背景に点々と輝く星たちだった。
西暦2626年2月26日。 この日、僕は地球を旅立った。